著者のコラム一覧
西本真司西本クリニック院長

医師になって34年。手術室麻酔、日赤での緊急麻酔、集中治療室、疼痛外来経験後、1996年6月から麻酔科、内科のクリニックの院長に。これまでに約5万8000回のブロックを安全に施術。自身も潰瘍性大腸炎の激痛を治療で和らげた経験があり、痛み治療の重要性を実感している。

「痛み」を取り除くことが自己治癒能力のサポートになる

公開日: 更新日:

 隆久さん(仮名・71歳)は、7年前の2015年1月に前立腺肥大がんの診断を受けたということで、翌月2月に私の元に来られました。その数年前から前立腺肥大だと診断されており、定期的に検診を受けていたそうです。大学病院でPSAという腫瘍マーカーの100以上の上昇がわかり、病理診断で前立腺がんの診断に至ったのでした。

 前立腺がんの主な治療法は、監視療法、手術、放射線治療、ホルモン療法、抗がん剤治療があります。監視療法とは、経過観察を行いながら過剰な治療を防ぐ方法で、定期的な検査で症状悪化の兆しが見られたら、治療の開始を検討します。

 隆久さんはご夫婦で話し合い、監視療法を選択されました。一方、長年にわたりひどい片頭痛や肩凝りがあったため、以前から私の著書を読んでくれていたこともあり、訪ねてきてくれたのです。

 まずは星状神経節ブロックを受けていただくことにしました。珍しいことに、ご夫婦そろってすでに星状神経節ブロックのことをよく理解されていて、私の方が驚いたほどでした。

 PSAの値は、2016年は年の初めから少し過食やアルコール摂取が増えたため、血尿が出て上昇傾向に。ホルモン療法、糖質制限、運動療法、機能性食品の提案を加えると、PSA値は下がっていき、低値で安定。0.003くらいのまま経過観察を続けています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動