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堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

人が多ければ多いほど何かあった際の「見て見ぬふり」が増える

公開日: 更新日:

 実験では、議論をしているときに、突然別の参加者が発作を起こす緊急事態に、どういう行動をとるかを観察しました。参加人数の数によって行動に変化があるかどうかも調べたそうです。

 その結果、参加者が発作を起こしたとき、自分以外に誰かほかの人がいる状況では自己の責任感も薄れ、スタッフへの事故の連絡も遅くなる結果になりました。さらに、自分以外の人数が多くなれば多くなるほど、自分では動かなくなる傾向も判明しました。ほかに誰もいない状況では全員が連絡を行ったのに対し、ほかの人が4人いる状況では、なんと4割近くの人がスタッフに連絡をしなかったそうです。

 当コラムで以前、ドイツの心理学者・リンゲルマンが提唱した「社会的手抜き」(リンゲルマン効果)を紹介したことがあります。リンゲルマンは、綱引きを利用して実験(1913年)を行い、綱引きに参加する人数を徐々に増やし、どう力の入り具合が変わるかを調べました。すると、1人で綱引きをした際の力の入れ具合を100%とすると、2人の場合は93%に、3人の場合は85%に、8人の場合は1人当たり49%まで減少しました。

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