堀田秀吾
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堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

「怒り」は相手のモチベーションを下げ本人の血圧を上昇させる

公開日: 更新日:

 トレーニング終了後、被験者に「自宅で好きなだけやってください」と伝えた上で、課題を与えたのですが、たくさん褒められたグループAは、自宅で平均46.8分ほど課題に取り組んだといいます。半面、まったく褒められなかったグループBは、平均34.7分ほどだったそうです。まさに、「褒め」で当事者のモチベーションが変化することが示された格好でしょう。

 対照的に、「怒る」というアクションは、どのような変化をもたらすでしょうか?

 怒られた人間は決して気分の良いものではありませんから、当然、モチベーションもテンションも下がってしまいます。

 それだけではありません。実は、怒る側にもデメリットがあるのです。

 皆さんも経験したことがあると思うのですが、最初は理性的に叱ろうとしていたのに次第に気持ちが高ぶってしまって、感情的になってしまう──。「叱る」つもりが「怒る」アクションへと変わってしまう、「怒りのエスカレーション」と呼ばれる現象です。


 アメリカのジョンズ・ホプキンス大学のエワートらの研究(1991年)では、10分間にわたって反発的なコミュニケーションを取らせたところ、怒っている人の血圧がどんどん上がっていきました。

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