自力で歩いての通院が「病気に打ち勝つ気概」の確認になっていたが…
自分の足での通院が、ご本人にとって病気に打ち勝つ気概を確認することのようで、まだ通院は続けるおつもりだったため、実は今回の在宅医療は不本意だった様子です。
「ご通院はだいたい金曜日?」(私)
「はい」(患者)
「わたしたちの訪問頻度ですが」(私)
「10日くらいでいいかな」(患者)
「では2週間後に」(私)
まずは私たちが訪問する頻度を確認し開始となりました。
「抗がん剤治療をやるとかは?」(私)
「向こうの先生と大ゲンカしてね。最初っから余命5年とか言われて。なに言ってんだって! あまり信用してないんだよね。仲は悪くないんだけどさ」(患者)
「説明しないといけないと思って言ったのかもですね」(私)
「それは分かっているんだけどさ」(患者)
患者さんにとって受け入れがたい現実であることを理解し共感し、それでも少しでも患者さんのQOL(生活の質)を維持向上させるために、患者さんの思いへの寄り添いは重要であり、そんな交流も自宅で患者さんがリラックスしているからこそできることでした。