著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

自力で歩いての通院が「病気に打ち勝つ気概」の確認になっていたが…

公開日: 更新日:

 自分の足での通院が、ご本人にとって病気に打ち勝つ気概を確認することのようで、まだ通院は続けるおつもりだったため、実は今回の在宅医療は不本意だった様子です。

「ご通院はだいたい金曜日?」(私)

「はい」(患者)

「わたしたちの訪問頻度ですが」(私)

「10日くらいでいいかな」(患者)

「では2週間後に」(私)

 まずは私たちが訪問する頻度を確認し開始となりました。

「抗がん剤治療をやるとかは?」(私)

「向こうの先生と大ゲンカしてね。最初っから余命5年とか言われて。なに言ってんだって! あまり信用してないんだよね。仲は悪くないんだけどさ」(患者)

「説明しないといけないと思って言ったのかもですね」(私)

「それは分かっているんだけどさ」(患者)

 患者さんにとって受け入れがたい現実であることを理解し共感し、それでも少しでも患者さんのQOL(生活の質)を維持向上させるために、患者さんの思いへの寄り添いは重要であり、そんな交流も自宅で患者さんがリラックスしているからこそできることでした。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末