著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

自力で歩いての通院が「病気に打ち勝つ気概」の確認になっていたが…

公開日: 更新日:

 先日、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)を患う男性が私たちの在宅医療を始められました。75歳で1人暮らしの方です。

 T細胞は、主に免疫機能を担っている血液の白血球の一種。末梢性T細胞リンパ腫とはその白血球の中のリンパ球に異常がみられ、無制限に増殖することで発症する血液のがんです。主な症状は、増殖したT細胞が集まってできるリンパ節の腫れ(しこり)や圧迫感で、ときに高熱が出ます。この患者さんの場合は、このリンパ腫が白血病化しており、いつなんどき急変してもおかしくない状態でした。

 昨年、不調で病院を受診したところ、このPTCLと診断。今年の春から病院に通院しながら化学療法を受けていました。

 ご本人としては体調が落ち着いたら治療できると期待しており、短い距離なら歩行が可能ということで、当初は通院を続けておられましたが、心不全を発症し入院。ADL(日常生活動作)も低下し、今回の在宅医療を一時的に受け入れることとなったようです。入院中には酸素吸入も行われていたということで、自宅で酸素吸入を行う在宅酸素療法(HOT)も備えながら在宅医療を開始したのでした。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動