著者のコラム一覧
佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

がん患者が生きがいを感じながら働けているか…繰り返し調査が必要

公開日: 更新日:

 がん患者の離職防止、再就職支援、医療機関と職場・地域の連携の必要性は、がん対策推進基本計画に明記されています。

 厚労省は2016年に「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」を公表しました。事業所として実施すべき環境整備、両立支援の具体的な進め方の指針です。がんと診断された従業員の雇用継続への配慮が「事業者の責務(努力義務)」と明記されました。2017年の働き方改革実行計画では、病気の治療と仕事の両立を社会的にサポートする仕組みを整え、病気を患った人々が生きがいを感じながら働ける社会を目指すことが打ち出されました。

 しかし、個々の会社、患者個人個人で、実際の状況はずいぶん違っているように思います。会社や上司から理解され、問題なく治療や定期診察が行われ、仕事が充実している方もいれば、逆にとても苦労されている方もおられます。

 日本は、小規模の会社が多い国です。4年前、乳がん手術をされた女性が定期検診のため休みを取ろうとしたとき、理不尽にも、上司から「採用面接のときにどうしてがんのことを言わなかったのか!」と怒鳴られたというお話を聞きました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」