物事を先延ばしにしてしまうのは遺伝的要因が関係している
なぜ人間は、物事を先延ばしにしてしまう傾向にあるのでしょうか? それは人間が変化を嫌う生き物である──ということが要因のひとつとして挙げられます。
皆さんの中にも、独自の「やる気」注入法を用意し、なるべく自ら動き出せるように工夫しているという方は少なくないと思います。一方で、いろいろと試してみたものの、「やっぱり面倒な気持ちが勝ってしまいダラダラしてしまう」と、頭を悩ませている人も多いはずです。
実は、「先延ばしグセは遺伝子が関係している」ともいわれており、コロラド大学のグスタフソンらは次のような実験(2014年)を行っています。
まず、双子のペアを被験者に、彼らがどれだけ先延ばしするかについて調べたそうです。たとえば、「明日まで仕事を延期してしまう頻度」や、「定期的に締め切りが迫るまで仕事を始められないか」などの質問を設け、答えてもらいました。
次に、グスタフソンは、すべてのDNAを共有する一卵性双生児の回答と、DNAの半分だけを共有する非一卵性双生児の回答を比較しました。両者の家庭環境、友人関係、教育といった人格を形成するさまざまな要因を比較し、もともと備わっている遺伝子がどれほど重要であるかを調べたわけです。