新型コロナウイルス騒動は沈静化に向っているが…動物ウイルス学者はなぜ「絶望」したのか

公開日: 更新日:

「テレビや雑誌には放映時間や紙面の広さに制限があり、必ずしも言いたいことを正確に伝えることができませんでした。今回のコロナ対策で最初の間違いは、この感染症を未知のウイルス扱いしたことです。今回のウイルスは遺伝子配列的にSARSコロナウイルスに近い。それは流行の早い段階でわかっていました。その証拠に国際公式名称は『SARSコロナウイルス2型』(SARS-CoV-2)です。すでにSARSコロナは詳しく研究され多くの論文が発表されていて、感染メカニズムもウイルスの感染条件などもわかっていたのです」

 本来なら、その知識を生かせばこれほどの混乱は起きなかったのではないか、という。それなのに、ステイホームを呼びかけたり、緊急事態宣言を安易に発動させた。

 宮沢氏によれば、新型コロナは絶対に排除するウイルスではなく、もともと人と共存する定めのウイルスだったという。日本はそれを見誤り、最後まで修正できなかった。

「疫学データから新型コロナは感染しても発症しない人が相当の割合でいることが初期の段階からわかっていました。病原性が低く、発症期の他の人にうつす以上、把握は不可能で、大多数の人が感染しなければ収束しないことも明らかでした。にもかかわらず、コロナは恐ろしいという空気が醸成され、ロックダウンだ、ゼロコロナだなどという騒ぎになってしまった。ただし、欧米では基礎疾患のある人が多く亡くなっていたことが伝えられていましたので、これらの人を守る手だては必要でした。なので、私は『ウィズコロナで行くべきで、病原性は数年で落ちますよ、健康な若い人はそれほど感染を怖がる必要はありませんよ』と申し上げてきたのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」