迷うようなことはだいたいどっちでもいい…考え続けることが重要
ただそれは、30年以上にわたって医者を続けてきた主な要因ではない。最も大きなこととしては、「がんばることが重要」という価値観が常に頭にあったことではないかと思う。しかし、この「がんばることが重要」というのも、今となってはそんなふうに思うこともなかったなというのが、正直なところだ。私には3人の子供がいるが、3人ともそれほどがんばらず、こうなりたいというのもなく、30歳を過ぎているが、それなりに楽しそうに毎日生きている。
私もこんな人生の方がよかったな、それが今の本音でもある。「マスクを着ける/着けない」「ワクチンを受ける/受けない」という判断も、同様に最善の判断をしたと思ったところで、振り返ってみればそうでもないことが多いのではないか。むしろ次の判断のために考え続けることが重要だということだ。
だいたいのことはどっちでもいいというのは、コロナについても当てはまる。それを判断が困難と考えるよりも、行動は適当に決めて、考えることだけは根気よくだらだら続けたい。
判断や行動は重要ではない。その多くはどちらでもよい。重要なのは考え続けること。最後にそれをもう一度繰り返しておきたい。(武蔵国分寺公園クリニック名誉院長)