奥真也
著者のコラム一覧
奥真也医師、医学博士、経営学修士。医療未来学者

1962年大阪生まれ。東大医学部卒業後、フランス留学を経て埼玉医科大学総合医療センター放射線科准教授、会津大学教授などを務める。その後、製薬会社、薬事コンサルティング会社、医療機器メーカーに勤務。著書に中高生向けの「未来の医療で働くあなたへ」(河出書房新社)、「人は死ねない」(晶文社)など。

精神疾患は技術の発達で原因遺伝子や病態の解明が劇的に進む

公開日: 更新日:

 精神疾患とは、気分の落ち込みや幻覚・幻想など心身にさまざまな影響が表れる病気のこと。脳内の神経伝達物質の乱れなどにより起こるといわれ、うつ病や双極性障害、統合失調症などが知られている。厚労省が作成した「第13回地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」(2022年6月開催)参考資料によると、17年度で日本国内に精神疾患を抱えた患者は419万3000人いるという。今後、精神疾患の診断と治療はどうなるのか? 医療未来学者である奥真也医師に聞いた。

 精神疾患のある総患者数は2002年の258万4000人から大きく増加していて、とくに外来患者数が増えている。外来患者数を疾患別で見ると、認知症が15年前と比べて7.3倍、躁うつ病を含む気分障害が1.8倍、神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害が1.7倍となっている。

「長引く不況や労働環境の悪化、生活不安などから精神疾患の患者数は増えています。それに対して精神疾患の診断・治療がなかなか進まない原因のひとつは、そのための時間と人手が足りないことです。専門医が少ないうえ、外科や内科とは異なり診断するためのマーカー(指標とする血液検査)がない。そのため診断は問診で行うしかなく時間がかかる。患者側からすれば精神疾患で受診するのに抵抗感がある。社会に精神疾患に対する偏見があるからです」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

  2. 2
    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  3. 3
    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

  4. 4
    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

  5. 5
    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

  1. 6
    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

  2. 7
    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

  3. 8
    蓮舫候補に一発逆転の「神風」は吹くのか…7.7都知事選「一歩リード」の小池知事を猛追

    蓮舫候補に一発逆転の「神風」は吹くのか…7.7都知事選「一歩リード」の小池知事を猛追

  4. 9
    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

  5. 10
    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」