著者のコラム一覧
奥真也医師、医学博士、経営学修士。医療未来学者

1962年大阪生まれ。東大医学部卒業後、フランス留学を経て埼玉医科大学総合医療センター放射線科准教授、会津大学教授などを務める。その後、製薬会社、薬事コンサルティング会社、医療機器メーカーに勤務。著書に中高生向けの「未来の医療で働くあなたへ」(河出書房新社)、「人は死ねない」(晶文社)など。

精神疾患は技術の発達で原因遺伝子や病態の解明が劇的に進む

公開日: 更新日:

 そうしたことから患者側は症状の重さを自覚できなかったり、医師に症状を偽ったりし、医師側も満足いく治療ができない部分もあるという。

AIの進歩で大量のスクリーニングが可能に

「しかし、AI(人工知能)が発達すれば一度に大量のスクリーニングができるため、省力が可能になる。精神疾患は今以上に診断される人が増える一方で、治る人も増えるのではないか、と予想しています」

 たとえばAIを用いた対話型の自動応答ソフト「ChatGPT」はその有力候補になるかもしれない、と奥氏は言う。すでに技術的には実用レベルまで達していて、もうすぐ患者自身がChatGPTの医療版に悩みを打ち明け、診察を受けるきっかけになりそうだ。

「声にはその時の感情や健康状態が現れることが知られています。その声をバイオマーカーにして、精神疾患の診断に役立てようとする試みが行われています。声帯は副交感神経である反回神経の支配を受けていて、ストレスを感じると交感神経が優位になり、声帯が緊張して周波数が高くなります。こうした声の状態を分析することで、心の状態を分析しようというわけです。世界で開発競争になっていて中国では音声人工知能を手がける企業と北京大学の研究チームが音声を使ったうつ病スクリーニングの臨床研究を進めています」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  2. 2

    清原果耶ついにスランプ脱出なるか? 坂口健太郎と“TBS火10”で再タッグ、「おかえりモネ」以来の共演に期待

  3. 3

    だから桑田真澄さんは伝説的な存在だった。PL学園の野球部員は授業中に寝るはずなのに…

  4. 4

    PL学園で僕が直面した壮絶すぎる「鉄の掟」…部屋では常に正座で笑顔も禁止、身も心も休まらず

  5. 5

    「ニュース7」畠山衣美アナに既婚者"略奪不倫"報道…NHKはなぜ不倫スキャンダルが多いのか

  1. 6

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 7

    フジ火9「人事の人見」は大ブーメラン?地上波単独初主演Travis Japan松田元太の“黒歴史”になる恐れ

  3. 8

    ドジャース大谷 今季中の投手復帰は「幻」の気配…ブルペン調整が遅々として進まない本当の理由

  4. 9

    打撃絶不調・坂本勇人を「魚雷バット」が救う? 恩師の巨人元打撃コーチが重症度、治療法を指摘

  5. 10

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した