著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

塩崎恭久元厚労相もPRするゲノム医療 費用対効果は健診に軍配

公開日: 更新日:

 ゲノム医療は、遺伝情報を詳しく分析することで病気の診断や最適な治療法を見つける医療のことで、先月、超党派議員による議員立法でゲノム医療法が成立しました。さらに、自民党の国会議員や製薬企業などによる「ゲノム医療推進研究会」は、その推進のための提言を加藤勝信厚労相に提出。会長の塩崎恭久元厚労相は、「日本は(世界に)まったく追いついていない。どんどん差が開いて、見えなくなる可能性がある」とPRしています。

 ゲノム医療法の骨子は、世界最高水準のゲノム医療を実施する。国と地方公共団体はゲノム医療施策を策定し実施する義務がある。医師や医療機関、研究者や研究機関はゲノム医療施策に協力するよう努める。国は、個人のゲノム情報を保護し不当な差別が行われないようにする--。努力目標ですが、個人情報としてのゲノム情報を保護しながら、ゲノム医療を進めることが狙いです。

 たとえばがん治療では、がん遺伝子パネル検査の保険適用は、標準治療がないか終了した固形がんに限られるため、利用者数は年間2万人ほど。それで治療につながるのは1割ですが、がんが完治することはまずありません。その半面、費用は膨大ですから、慎重な運用が大切です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    フジテレビ「第三者委員会報告」に中居正広氏は戦々恐々か…相手女性との“同意の有無”は?

  3. 3

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  4. 4

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  5. 5

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  1. 6

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 7

    冬ドラマを彩った女優たち…広瀬すず「別格の美しさ」、吉岡里帆「ほほ笑みの女優」、小芝風花「ジャポニズム女優」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」