心臓を守るために「乳製品」の摂取は効果的なのか
海外の研究でも、乳製品を摂取している人は高血圧、糖尿病、肥満、メタボのリスクが低下し、心臓病や脳卒中のリスクの低下が期待できると報告されています。高血圧、高血糖、肥満はいずれも代表的な心臓病のリスク因子ですから、乳製品の摂取は心臓にとってプラスに働くのはたしかといえるでしょう。
■自分の体質やリスクをしっかり把握する
動物性食品である乳製品は、コレステロールなどの脂肪も含まれているため、かつては「心臓にとってマイナス」という見方もされていました。たしかに、今回の研究でも、男性では牛乳の摂取が少なすぎても多すぎてもがん死亡リスクが上昇する、いわゆるU字形の関係が見られました。乳製品の過剰摂取はリスクを上昇させる可能性はありますが、それはどんな食品にも同じことがいえます。
また、家族性高コレステロール血症の人や、糖尿病で血糖コントロールが悪いなど、原病の管理がきちんとできていない人にとっては、乳製品の摂取がマイナスに働く可能性もあるでしょう。しかし、たとえ高コレステロール、高血糖、高血圧を抱えている人でも、服薬でしっかりコントロールできていれば、乳製品の摂取は心臓にとってマイナスにならないと考えられます。