堀田秀吾
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堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

他者との心の距離をコントロールする「コード・スイッチング」

公開日: 更新日:

 実際に私は、上司と部下が会話をするVTRを作成し、それを第三者に見てもらい、どのような評価をするのかという実験を行いました。部下が上司と話をする際に、①すべてタメ口で話すパターン②すべて敬語で話すパターン③一部タメ口で話すパターンの3つのVTRを作り、第三者に10段階で評価してもらいました。

 その結果、もっとも親しみを持ったと答えたケースが、③の一部をタメ口で話すVTRでした。第三者の評価は、③が59.5%、②が40.5%、①にいたっては0%(!!)。実に約6割が③のケースを評価したのです。

 となると、「一部をタメ口」にするとは、どこまでをタメ口にしたのか──。

「自分の感想部分は敬語を使わずに、自分の言葉で表現して伝えているので本音に聞こえる」とは、VTRを見た第三者の声です。

 ③のケースでは、部下が「かっこいい!」「センスがいい!」「うれしい!」という具合に、自分の感情や(間投詞的な)感想などを口にするときだけタメ口を使うように作成しました。本来であれば、「~ですね」や「~と思います」といった言葉遣いになりそうなところを、あえてタメ口のニュアンスに変えるコード・スイッチングを行ったのです。

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