インフルエンザは熱より「咳」が診断のポイント 感染症専門誌で報告
今年の夏の風邪の特徴は、新型コロナと共に、インフルエンザも流行していることです。そのほとんどがA型インフルエンザですが、真夏の流行というのは、これまでに例のない異常事態です。
インフルエンザの典型的な症状と言えば、急な発熱と関節痛と普通は考えます。実際、発熱外来という言葉があるように、その患者さんが感染症にかかっているかどうかは、通常は発熱があるかどうかで見分けているのです。 熱がなければ、とりあえず周りにうつすような感染症の可能性は低い、と判断します。しかし、その判断は本当に正しいのでしょうか?
2015年の感染症の専門誌に興味深い研究結果が報告されています。院内感染の防止目的で医療従事者に検査を行ったところ、遺伝子検査でA型インフルエンザと診断されたスタッフの半数以上は、実際には発熱を伴っていませんでした。
その一方で、全ての症例で咳が認められ、鼻水やのどの痛みも6割以上で認められたのです。
この結果は単独の施設のもので、症例数も少ないので断定的なことは言えませんが、A型インフルエンザの症状の特徴は急な発熱というのは、常に正しいわけではなさそうです。風邪症状が何かあって、インフルエンザの流行があれば、一度はその可能性を疑う必要がありそうです。