血圧を最も効果的に下げる運動「アイソメトリックトレーニング」とは
健康診断で高血圧やコレステロールの増加を指摘され、生活改善が必要だと言われたとします。それでは少し運動でもしてみようか、というのは、多くの方が考えることだと思います。しかし具体的にどのような運動をするのがいいのでしょうか?
たとえば、1日5000歩以上歩くのがいいといわれていますが、これはトータルな健康への効果をみたものです。個別の症状や検査の異常に対して、どのような運動が最も効果的なのか、というような点については、これまであまり正確な情報がありませんでした。今年のスポーツ医学の専門誌に、高血圧に最も有効な運動のやり方についての論文が掲載されました。
これまでに発表された270の研究に含まれる1万5000人を超えるデータをまとめて解析したところ、多くの種類のトレーニング法の中で、血圧を下げる効果が一番高かったのは、「アイソメトリックトレーニング」でした。
これは、両手を胸の前で合わせて力を入れ、10秒くらいそのまま静止することを繰り返すような、関節は動かさないで筋肉を収縮させる、というトレーニング法です。他の有酸素運動や筋トレなどのトレーニング法よりも、この方法を2週間以上継続することが、血圧の低下には最も有効だったのです。こうした研究がより進歩すれば、個別の健康状態に合わせた、最も有効なトレーニング方法が利用可能となるかもしれません。