オリーブオイルが豊富な地中海食で脳の前頭葉機能が改善
認知症リスクを下げるには何を食べればいいの──? これはとてもよく受ける質問。「アルツクリニック東京」が運営する健脳カフェやオンライン健脳カフェでも、認知機能と関わりの深い食事や栄養に関する知識を学べる教室を開いています。
近年、世界的に注目されているのが「地中海食」です。読者の中にも耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか?
地中海食は、イタリア、スペイン、ギリシャなどの地中海沿岸の国々で食されている伝統的な食事様式。魚介類や野菜、果物が豊富に含まれ、コレステロールを下げる作用があるといわれるオリーブオイルを用いて調理されています。
米国在住の認知症のない2258人を対象に、地中海食の摂取頻度の高い群と低い群を4年間追跡調査したところ、地中海食摂取の頻度の高い群はアルツハイマー病の発症リスクが40%軽減していた、という結果が出ています。
さらに、こんな研究も。スペインで行われたランダム化比較試験で、ナッツ類が豊富な地中海食を食べていた群は記憶力が改善し、オリーブオイルが豊富な地中海食を食べていた群は前頭葉機能が改善したというのです。前頭葉は、思考、判断、集中、気分のコントロールをつかさどったり、物事を整理・処理・実行する機能を担っています。