著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

高齢者が熱中症になりやすい理由と対処法…細胞内の水分量が減る

公開日: 更新日:

 今年の夏は記録的な猛暑でした。連日、猛暑日を記録していた頃には、熱中症の高齢者がたくさん救急搬送されたというニュースをよく目にしました。老若男女、誰でも熱中症になるリスクはありますが、特に高齢者は熱中症になりやすいです。なぜなのでしょう?

 高齢者が熱中症になりやすい理由としてよく報道などで取り上げられるものに、「エアコンをあまり使わない」というものがあります。これは加齢とともに暑さを感じにくくなるためで、救急隊が到着したときの室内温度が40度を超えていたなんて話もよく耳にします。そのため、「適切にエアコンを使うようにしましょう」といったアナウンスもされています。

 しかし、じつはもっと大きな原因があります。それが「体組成(体の構成成分)の変化」です。加齢とともに体組成は変わっていき、骨や筋肉といった固形分は減り、体脂肪率は増えます。そして、細胞内の水分量が減ります。

 細胞内の水は、体が脱水に陥った際の予備タンクのような役割も持っています。脱水とは体から水分が失われた状態を意味しますが、ある程度までは細胞内から水分が供給されるためあまり大きな問題になりません。ところが、高齢者は細胞内=予備タンク内の水分量が減っているため、すぐに水分が供給できなくなってしまい、容易に脱水が重篤化します。つまり、熱中症になりやすいということです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動