糖尿病は“治る”時代…いまこそ患者への偏見を是正すべきだ
■しっかり治療していれば平均余命に差はない
糖尿病の人は短命というのも正しくない。若年発症者の平均余命が短いのは事実だが、早期治療で心血管疾患の合併症などを回避できれば余命を大幅に伸ばすことも可能だ。
「医療技術が進み、糖尿病患者さんはきちんと治療して血糖コントロールができていれば健康な人とほとんど変わらない健康寿命になっています。そもそも糖尿病の人は短命というのは未治療だったり、治療時期が遅すぎて血糖コントロールができていない人の場合を指すケースが多かったのですが、いまは企業の定期健診などにより重度の患者さんは少なくなりつつあります」
実際、40歳時点の平均余命を見てみると、2000年度の簡易生命表(厚労省「日本人の平均余命」)では、男性39年、女性45.5年。1995~2001年に調べた6140人の糖尿病患者の調査結果は男性39.2年、女性は43.3年。両者はほとんど差がなく、しかも、これらは20年以上前のデータだから、いまはその差がさらに改善している可能性がある。