米・英・日と続々発表される「糖尿病は治る」論文
糖尿病の寛解を報告した研究データは日本だけではない。そもそも、糖尿病が寛解することは1990年代から指摘されている。
2型糖尿病を有する肥満患者に対して、外科的に胃を小さくするバイパス手術を行うと、血糖値の正常化を認めることが報告されていた。
2014年には、糖尿病の寛解に関する大規模調査の結果が米国糖尿病学会誌で報告され、肥満の手術を行わなくても、糖尿病の寛解を期待できる可能性が示された。米国で行われたこの研究では、肥満を有する2型糖尿病患者12万2781人が対象となった。対象者の平均年齢は62歳、47.1%が女性、体格指数(BMI値)は平均で31であった。
糖尿病の寛解は、09年に公開された米国糖尿病学会の基準に基づき、HbA1c値が5.7~6.4%の状態が1年にわたり持続する部分寛解、HbA1c値が5.7%未満の状態が1年にわたり持続する完全寛解、完全寛解が5年以上にわたり持続する長期寛解に分類され、それぞれの寛解率が追跡調査された。
その結果、1000人当たりの糖尿病寛解率は、部分寛解で年間2.8件、完全寛解で年間0.24件、長期寛解で年間0.04件であった。