乳幼児の湿疹に注意! 積極的治療で食物アレルギーの連鎖を断つ
それも積極的に塗った方がいい。前出の国立成育医療研究センターが全国の小児アレルギー専門病院と共同で行った最新の研究では、乳児期早期にアトピー性皮膚炎を発症した乳児を無差別に2群に分け、ステロイド外用薬を、一方は湿疹がない部位も含めた全身に、もう一方は湿疹のある部位にだけ塗布。結果、全身にステロイド外用薬を塗った群では経皮感作が抑えられ、生後28週後の鶏卵アレルギーの発症率は25%低かった。
「この研究で、湿疹がある場合、早い段階でステロイド外用薬を積極的に塗った方が経皮感作を抑えられ、食物アレルギーの発症率を下げられることが明らかになったのです。世界で初めての報告になります」
アレルギー症状は症状がひどくあると生活の質(QOL)が低下し、集中力が低下し、学業や仕事に影響が出ることがある。“入り口”のアトピー性皮膚炎でしっかり食い止め、アレルギーマーチを起こさないようにしたい。ステロイド外用薬の副作用を心配するあまり、適切量を塗らなかったり、勝手にやめたりする新米パパ・ママもいるが、それでは症状をこじらせてしまいかねない。