ベッド編(1)動作の支点を膝にすれば腰に負担がかからない
よろけても抱きかかえない
⑥介助者は再び移動して相手の胸のあたりに片膝をつき直し、奥側の肩を膝とは反対側の腕で手前に引き寄せる。(写真2)
「⑦介助者は手のひらを下向きにした状態で空いている方の腕を相手の首とシーツの隙間に差し入れ、親指が上になるようクルッと腕を回転させます。その際、手首は曲げず五指をピンと張ってください⑧空いている方の手を相手の奥側の膝に添えそのまま膝をベッドの下に下ろしながら上半身を起こして座らせます」
長時間、横になっていた人がいきなり座り姿勢になると、めまいを起こしてふらつき、前後左右に倒れるリスクがある。姿勢に慣れるためにも、座った直後は介助者が支える必要がある。
①介助者はベッドに座っている相手の正面に立ち、相手の両足を閉じる②相手の両腕を前で交差させ、相手の両膝を自分の両膝で挟んで固定する③相手の肩に両手首を乗せ、手首から先を下に垂らして中指と薬指で肩甲骨の内側に軽く触れ、手前にほんの少し相手を引き寄せて体勢を安定させる。
「体がよろけると、つい相手を抱きかかえたくなりますが、それでは介助者が腰を痛めるだけでなく、体勢が不安定になって両者とも倒れる危険があります。腰の負担を減らすためにも、介助する際は優しく触れることを意識してください」 (つづく)
■詳しくはYouTubeチャンネル「根津式介護技術」で