著者のコラム一覧
田中里佳順天堂医院足の疾患センター長

2002年東海大学医学部卒業、04年同大学形成外科入局、06年米国ニューヨーク大学形成外科学教室留学、12年順天堂大学医学部形成外科学講座准教授、医局長を経て現職を務める。

足の痛みからほかの病気が発覚するケースはあるのでしょうか?

公開日: 更新日:

 そして、骨髄増殖性腫瘍は、ほとんどの場合で急性白血病を引き起こすことが知られています。

 前出の男性に血液検査を行ったところ、通常4000~9000/マイクロリットルとされる白血球の基準値に対して、2万/マイクロリットルであったことから、白血病の疑いが高いと診断しました。

 この方のように、足の痛みの背後に重大な病気が隠れている場合、足の症状を内科・外科関係なく総合的に診察できる医師を受診しなければ、診断が遅れて治療が手遅れになる危険が高い。

 足に症状が現れる病気はいくつかあります。がんの治療後に起こりやすいリンパ浮腫、腎臓病や肝臓病の初期では足がむくんだり、糖尿病であれば糖尿病性神経障害による足のしびれの症状が見られます。

 ほかにも膠原(こうげん)病のひとつである限局性強皮症は、手や足、体幹など一部の皮膚が硬くなり、その箇所に痛みや変形が生じるケースも多い。以前、「足の靴ずれが痛く、3カ月経っても治らない」と受診され、膠原病かどうか調べる抗核抗体検査で陽性と判定された方もいます。単なる足の痛みだと自己判断しないことが大切です。

【連載】日本版「足病医」が足のトラブル解決

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    体操界は飲酒喫煙「常態化」の衝撃…かつてスポンサー企業もブチギレていた!

  2. 2

    オリンピアンの大甘同情論に透ける「特権意識」…血税注ぎ込まれているだけに厳罰必至の当然

  3. 3

    「重圧は言い訳にならない」とバッサリ、体操界レジェンド池谷幸雄氏が語る「エース不在」の影響

  4. 4

    大谷はシーズン後半戦、三冠王へまっしぐら ドジャース投壊がむしろ追い風になる理由

  5. 5

    夏休み到来! 我が子をテレビやゲーム、YouTube漬けにしない「割と簡単にできる方法」

  1. 6

    巨人選手を軒並み“チキン”にしたのは誰の仕業? 阿部監督ついに激怒「チャンスなのに悲壮感」

  2. 7

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

  3. 8

    大谷の「左翼守備」前倒しに現実味…ドジャース投壊で「DH問題」は輪をかけて深刻に

  4. 9

    中日ポスト立浪は「侍J井端監督vs井上二軍監督」の一騎打ち…周囲の評価は五分五分か

  5. 10

    美川憲一「もういいわ」和田アキ子「ありえない」…切り捨てた重鎮に見捨てられたNHK紅白の末路