ビタミンB12が不足すると「貧血」を起こすリスクがある

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 そのような場合はビタミンB12を補充すればよいのですが、内服薬としてビタミンB12を補充しようとしても内因子がなければ結局は吸収することができないので、貧血を改善することはできません。そのため、注射薬での補充が必要となります。具体的には筋肉注射として投与します。

 ちなみに、胃全摘後の巨赤芽球性貧血はすぐには起こりません。ビタミンB12は体内に大量に備蓄されているため、人によりますが胃全摘後もおおよそ3~5年程度は欠乏することがないといわれています。これを超えるとビタミンB12が枯渇して巨赤芽球性貧血になる可能性があるため、筋肉注射でのビタミンB12の補充が必要になるケースがあるのです。補充は毎日しなければいけないというわけではなく、通常は週に3回で十分とされています。

 ビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血は胃全摘後以外にも生じる場合があり、前述した極端な偏食も原因となります。ビタミンB12は動物性食品に多く含まれているため、菜食主義や過度なダイエットなどで欠乏のリスクがあるのです。

 胃全摘後ではある程度仕方ないところはありますが、そうでない場合には普段からバランスの良い食事を心がけることが重要になります。これは、巨赤芽球性貧血の予防だけでなくあらゆる点でいえることですね。

【連載】高齢者の正しいクスリとの付き合い方

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