デジタル社会どう目を守る(2)中高生も…若者に広がる「スマホ老眼」
近藤先生はその理由をこう説明します。
「スマホやタブレットなどを長時間見続けると目のピント調節をする筋肉が緊張し、近くから遠くへと見る距離を変えた時、これまでのようにスムーズにピントを合わせることができなくなるのです。デジタル機器は紙の書籍よりそういった現象が起きやすいので、スマホ老眼と言われています」
子どもの近視や内斜視でも説明したように、紙で文字を読む場合の視距離は平均30センチであるのに対し、スマホやゲーム機などの距離は20センチと短いことが主な原因とされています。
「若者世代では、仕事をパソコンで行い、休憩時間や仕事終了時にスマホを見るというライフスタイルが一般的です。よほど意識しない限り、日常的に長時間、デジタル画面を見続けてしまうのです」(近藤永子医師)
そのため、目の筋肉の過緊張が続き、筋肉が固まったような状態になることで、目の疲れや調節機能の低下を招くそうです。
「スマホ老眼」は、原因となるスマホの長時間使用をやめ、目を休めることで回復しますが、なかには強い眼精疲労や頭痛などを起こすこともあるそうです。