皮膚を見れば病気が分かる(2)クモの巣のような赤い発疹は肝臓トラブルのサイン
消化器疾患で見られるデルマドロームは他にもある。グルカゴンの異常な増加により、膵臓に腫瘍ができる「グルカゴノーマ(膵臓がん)」では、グルカゴンの大量発生により血中のアミノ酸が低値になりやすい。
アミノ酸の欠乏により皮膚に栄養障害が起こると、表皮が壊死して赤くただれる“びらん”や、かさぶたを伴う紅斑が顔や体幹、四肢などあらゆる部位に見られるという。
「これは『壊死性遊走性紅斑(NME)』と呼ばれ、かゆみや痛みを伴う皮膚症状を何度も繰り返すのが特徴です。病名に“遊走”と付けられているように、1カ所にできた紅斑は他の部位に移動して、皮膚病変は拡大しやすい」
グルカゴノーマは非常にまれな病気だ。しかし、ステロイド外用薬で治療をしても皮膚症状の改善や増悪を繰り返すようであれば、皮膚科医に相談するのがベターだ。