著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

昭和6年に誕生した「学校薬剤師」はどんな仕事をしているのか

公開日: 更新日:

 先日、「学校薬剤師」として小学校の水道の水質検査を行いました。学校薬剤師というのは、学校医や学校歯科医らとともに、学校保健安全法で学校に設置が義務付けられています。

 学校医というと、児童生徒の健康診断や“保健室の先生”といったように、すぐにイメージができる人も多いでしょうが、学校薬剤師の業務はあまり知られていません。

 昭和5(1930)年、北海道小樽市の小学校で、風邪をひいて体調の悪い女子児童に「アスピリン」を服用させるつもりが、誤って毒物である塩化第二水銀を服用させたため亡くなってしまうという痛ましい事故が起こりました。これを受け、「いろいろなクスリを保管している学校にクスリの専門家を置くべきだ」という声が高まり、昭和6年に同市で初めて学校薬剤師が生まれました。その後、この流れは全国に波及し、「学校には学校医、大学以外の学校には学校歯科医および学校薬剤師を置くものとする」と定められたのです。

 学校薬剤師は、学校環境衛生(換気、採光、照明など)の維持管理に関する指導・助言者としての職務が義務付けられていて、ほかに健康相談や保健指導にも従事するよう求められています。具体的には、水道の水質検査、プールの水質検査、二酸化炭素濃度などの空気検査や、教室の照度検査など学校の環境検査を行ったり、薬物乱用防止教室といった形で授業を行うこともあります。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

  2. 2

    離職後、定年後は何をしたい? 第2位「まだ考えていない」…では第1位は?

  3. 3

    悠仁さま「進学に向けた勉学の大切な時期」でも続く秋篠宮家と宮内庁の軋轢

  4. 4

    旧ジャニーズ自社タレントの誹謗中傷に通報窓口設置も…「当事者の会」見て見ぬふりの“二枚舌”

  5. 5

    もはや任意じゃなくて強制…12月2日のマイナ保険証一本化に向けて強まる国民への包囲網

  1. 6

    阪神岡田監督の気になる進退 来季続投がスジだが…単純にそうはいかない複雑事情

  2. 7

    厚労省が職員9万人を対象に「マイナ保険証アンケート」の愚策…エグすぎる質問事項の“大きなお世話”

  3. 8

    “終わった説”から大逆襲!巨人・菅野智之「最後の全盛期」を手繰り寄せる意外な要因とは

  4. 9

    機内食の猛クレームで通路で土下座をさせられました

  5. 10

    初V京都国際の《正体》と《左腕王国の秘密》…野球部“以外”の男子生徒わずか12人