「心房中隔欠損」は治療しないと40歳で寿命を迎えるは本当なのか

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「心房中隔欠損」という先天性心疾患があります。心臓の上部にある左心房と右心房を隔てる壁=心房中隔に、生まれつき穴があいている病気です。出生児の約1500人に1人の割合で起こるといわれています。

 胎児のときは誰もが心房中隔に卵円孔と呼ばれる穴があいています。母体から供給される酸素がたくさん含まれた血液を、胎児の肺を通過させることなく全身に循環させるための構造です。通常、この穴は出生直後に自然と閉鎖するのですが、中には閉じないまま穴として残ってしまうケースがあるのです。

 幼児・小児期にはほとんど症状が出ないまま経過することが多く、穴が5ミリ以下と大きくない場合は特に問題はありません。しかし、そのまま成長して血圧の影響が出始める年齢になると、不整脈、肺高血圧症、心臓弁膜症といった病気につながったり、心不全のリスクがアップする可能性があります。

 右心房と左心房の間に小さな穴があると、トイレでいきんだり、せき込んだりといったちょっとした拍子で血液が行き来することになります。全身から右心房に流れ込んだ静脈血と、肺で酸素を取り込んで左心房に入った動脈血が少量でも混ざってしまうということです。こうした血液の流れは短絡と呼ばれ、短絡の程度によってさまざまな心臓トラブルが起こるのです。

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