女性に多い“隠れ”睡眠時無呼吸症候群に要注意!「肥満」「激しいいびき」の典型例とは異なる
「女性をはじめとする『隠れSAS』の人たちは、SASを放置していることで、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを抱えたままなのです。速やかに適切な治療に結びつける必要があります」(池上院長=以下同)
女性のSASが“隠れ”となってしまうのは、SASの典型例、つまり「太っている」「就寝中大いびきをかき、突然呼吸が止まり、しばらくすると大いびきを再開」が見られないことがほとんどだからだ。
「女性ホルモンには呼吸をスムーズにしたり、代償する働きがあり、よほど肥満でない限り、更年期までは女性はSASになりにくい。ところが更年期以降、女性ホルモンの分泌の急激な減少で、睡眠中の呼吸に影響が生じる。無呼吸とまではいかなくとも、気流制限や呼吸が浅い低呼吸を起こします。さらに、女性では、男性ではあまり反応しない程度の気流制限でも脳が反応し、中途覚醒となったり、自律神経の異常が生じやすい」
■重症度は低いのに心筋梗塞リスクは高い
SASの重症度は一般的には「無呼吸低呼吸指数(AHI)」で示される。呼吸が止まったり、浅くなったりする回数が1時間にどれくらいあるかを示すもので、AHIが5以上でSASと診断され、5~15が軽症、15~30が中等症、30以上が重症とされている。