人間は損失が頭をよぎるとリスクを取る意思決定をしてしまう
こうした言葉の言い換えによって、同じ情報であったとしても異なる印象を与え、意思決定に影響を及ぼす現象を「フレーミング効果」と呼びます。
ある選択肢を「80%の成功率」と表現するか、「20%の失敗率」と表現するかによって、人の選択は変わってしまうのです。
人間は現金な生き物ですから、先の調査を見ても分かるようにネガティブな印象を与えられると、一発逆転の意思決定をしてしまう可能性が高まるというわけです。
こうした事実をもとに、シカゴ大学のボアズ・ケイサーらは、母国語と第2言語が意思決定にどのような影響を及ぼすか、興味深い実験(2012年)を行っています。
実験では、外国語として日本語を学んでいるアメリカ人学生121人を対象に、「英語で提示したグループ」と、「日本語で提示したグループ」の2つに分け、次の選択を提示しました。「60万人が死に至る病気」への対策として、「20万人が助かる薬」と、「60万人が助かる確率が33.3%、誰も助からない確率が66.6%の薬」を開発されているとしたら、どちらを選択しますか? と。