健康寿命は経済力で決まる(5)先発薬の「特別の料金」が10月からスタートした
今月(10月)から、ジェネリックがあるのに先発薬を希望した場合「特別の料金」を取られることになりました。ジェネリックとは、特許切れの先発薬を、他社が真似て作った薬です。有効成分は同じですが、研究開発費がほとんどかからないため、薬価はかなり抑えられています。
では先発薬とジェネリックで、実際にどのくらいの差が生じるのでしょうか。
先発薬1錠の値段をA円、ジェネリックをB円とすると「特別の料金」は次の式で計算されます。
特別の料金=(A-B)×0.25
高血圧薬に当てはめて計算してみましょう。2022年度の統計で、最も多く使われていたのは、先発薬である「アジルバ錠20㎎」(武田薬品)でした(院外・院内処方合わせて約3億4000万錠)。その特許が切れて、2023年度からジェネリックが作られ始めています。現在の薬価は、前者が83.3円、後者が32.1円となっています。
どちらも1日1錠が基本です。患者3割負担として、1年分のクスリ代を計算すると、先発薬は9121円(端数は四捨五入)、ジェネリックは3515円。また「特別の料金」は、先発薬1錠当たり12.8円で、年間で4672円、さらに消費税も加わって5139円となります。先発薬を選ぶと、この金額がそっくり上乗せされるため、クスリ代は年間で1万4260円となって、ジェネリックの4倍以上に達します。