「大転生時代」島田雅彦著
「大転生時代」島田雅彦著
裏切られ続けて「素敵な出会い」を諦めていた横溝時雨は、町中華で「前にお会いしたことがあると思うんですが」と声をかけられた。男は「三浦杜子春」と名乗ったが、人違いだと拒絶した。
自宅マンションで鍵を店に忘れてきたことに気づいた時雨は、杜子春が中学時代の同級生だったことを思い出す。店に戻る途中、公園で杜子春に出会った。忘れた鍵を渡されて、時雨は杜子春との再会を喜び、思い出話を始める。
「今は何を?」と聞かれた杜子春は、「別の人生を始めて、かれこれ6年くらいになるかな」と答えた。後日、時雨をデートに誘った杜子春は、自分はバルナランドという「子どもの国」から来たと言い出す。
異世界からの転入者との出会いを描くSF小説。
(文藝春秋 2310円)