著者のコラム一覧
古谷彰子愛国学園短期大学准教授

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

【味噌】抗酸化・抗腫瘍効果がある「畑の肉」は朝取りたい

公開日: 更新日:

 味噌は、日本の伝統的な調味料です。大豆を主原料に、塩と麹菌を用いる発酵過程で特有の風味と栄養価が高まります。発酵期間が長いほど味が深まり、栄養成分も豊富になることが特徴で、さまざまな健康効果が期待されています。奈良時代にはすでに広く使われ、保存食として戦国時代には武士の携行食や栄養源として重宝されてきたそうです。

 そんな味噌は「畑の肉」とも称されるほど植物性タンパク質が豊富! 発酵によりアミノ酸に分解されているため、体内での吸収が良好なのがとても良いところです。特に必須アミノ酸がバランスよく含まれ、代謝を助けるグルタミン酸も多いので、料理のうまみを引き出す役割も果たしています。さらに、エネルギー代謝を助けるビタミンB群が多く含まれており、疲労回復や代謝促進にも役立つほか、発酵によって生成される乳酸菌や水溶性食物繊維が腸内環境を整え、消化機能を改善する効果が期待されています。

 また、味噌は塩分を含む食品でありながら、発酵過程で生成されるペプチドに血圧を下げる効果があるとされています。実際に日本で行われた疫学研究では、味噌汁の摂取頻度が高い人々で心血管疾患の発生率が低いことが報告されています。その他にも味噌には大豆イソフラボンが含まれており、強い抗酸化作用や抗がん作用も確認されています。日本人女性を対象にした研究でも、味噌汁摂取が乳がんのリスク低減と関連することが示されています。腸内環境の改善についても多くの研究が行われ、味噌に含まれる乳酸菌が腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌の増殖を抑制することで腸内フローラのバランスを保ち、便秘予防や免疫力向上に寄与すると考えられています。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    《中日》1位指名した金丸夢斗をパ全球団が“完全スルー”した裏に「カラダの問題」

  2. 2

    松本人志ほぼ無職も海外配信の莫大収益でウハウハ…それでも和解に首を縦に振れない複雑事情

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    《西武》1位で怒涛の遊撃手「指名三連発」は“ポスト源田”の枯渇招いた投手重視ドラフトのツケの証し

  5. 5

    《巨人》先発の金丸夢斗を外して「1~3位に内野手指名」はFA&外国人の大型補強の前兆か

  1. 6

    《阪神》ドラ1指名で“高校生回避”のウラに背に腹は代えられぬ藤川監督の強いこだわり

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    DeNA崖っぷち助っ人が火事場の馬鹿力で巨人相手に6回1安打無失点、クビ回避へ猛アピール

  4. 9

    【スクープ】自民・丸川珠代候補「選挙違反」の決定的証拠!夜8時以降も街頭演説しビラ配り継続

  5. 10

    妻・瀬戸サオリの反論が"トドメ" ジャンポケ斉藤は消滅危機…インスタには4歳の息子の写真がまだ…