(101)あとは山東京伝に任せよう
日本橋に近づいたところで駕籠が止まった。担ぎ棒を外した後棒が念を押す。
「旦那、本当にここでよろしいんでがすか?」
「うん。少し歩きたいんだ」
よいしょ。蔦重は妙に重い身体をずらし、腫れぼったい脚を駕籠から降ろす。春雨は昼間にあがった。だが地面は湿っぽい。先…
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