(6)ジェネリック医薬品不足が解消する可能性はかなり低い
ジェネリック医薬品の慢性的な不足が続いています。日本製薬団体連合会によれば、2024年11月時点で、全ジェネリック製品の25.2%が限定出荷(追加注文等に応じられないなど)や供給停止になっているとのこと。ちなみに2年前(2022年11月)の数字は25.3%でした。ですから2025年中も、不足が解消される可能性はかなり低いと言えそうです。
ジェネリック不足の直接の原因は、2020年以降に次々と明らかになった、ジェネリックメーカーによる不正行為とされています。品質試験を適切に行わなかったり、承認された製造方法とは異なる手順で製造するといったことが、業界全体で常態化していることが判明し、出荷停止などの処分を受ける会社も相次ぎました。
しかしそれだけでは、何年も不足が続くことはないでしょう。
ジェネリックは薬価をギリギリまで下げられているため、利益率が低い市場になっていますし、作るほど赤字というものも少なくないと言われています。しかも小規模な会社が多く、優秀な人材が集まらず、設備投資はままならず、品質管理にも金と時間をかけられない、といった構造的な問題を抱えています。加えて薬の有効成分である「原薬」の多くを、インドや中国からの輸入に頼っており、時々、品質問題を起こして出荷が止まったりします。つまり上流工程からして、かなり不安定なのです。