(6)ジェネリック医薬品不足が解消する可能性はかなり低い
政府は業界再編を促したり、安定供給に貢献したメーカーに対して、ご褒美に薬価を少し引き上げようなどと言っていますが、効果が出るのに時間がかかりそうです。
とはいえ、「日本は薬を使いすぎている」との指摘もあります。とくに何カ所もの病院に通っている高齢者に対して、同じような薬が2重、3重に処方されている可能性があります。
そこで注目されるのが、マイナ保険証です。これによって誰にどんな薬が、どれだけ処方されているかを「見える化」することが可能になり、薬のムダを大幅に削減できるはずです。多重処方を減らすだけで、ジェネリック不足が意外とスッキリ解消するかもしれません。ついでにポリファーマシー(薬が多すぎてかえって健康を損ねること)も防げるはずです。
マイナ保険証については、その負の部分ばかりが強調されていますが、うまく使ってメリットを活かすほうが、日本の未来にとってプラスでしょう。社会のデジタル化の波は、もう誰にも止められないですし、医療のDX化は政府の基本方針でもあります。まずはジェネリック不足の解消に、マイナ保険証を活用してはどうでしょうか。(つづく)