(3)心筋梗塞の既往症がある肺がん患者はどうすればいいのか

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「胸に針を刺して胸水を採取し、そこでがん細胞が確認されることもあります。しかし、胸水に含まれる細胞が少なければ必要な情報を得られない場合もあります」

■検査で薬の選択肢が変わる

 高齢なので、がん治療そのものにリスクがあるのも分かる。治療を前提とした肺がん検査において気管支鏡検査が望ましいのも理解できる。しかし、既往症によるリスクがあるからといって気管支鏡をあきらめ、「何もしない」と判断するのはどうなのか?

 現在、がん治療に使われる薬は大きく分けて3つある。「殺細胞性抗がん剤」「分子標的薬」「免疫チェックポイント阻害剤」だ。殺細胞性抗がん剤はがんのDNA合成や細胞増殖を阻害することでがん細胞を殺す。分子標的薬は、がんが持つ特定の分子に働きかけてがんの成長を邪魔する。免疫チェックポイント阻害剤は、がんが持つ宿主の免疫回避の性質を阻害する。

「今のがん治療は細胞の種類や性質によって薬が選択されます。だからこそ気管支鏡などを使った組織検査による確定診断が重要視されるのです。細胞診だけでは、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤を使うために必要な情報を得る検査ができません。主治医は、細胞診で使える範囲の抗がん剤ではこの患者さんに効果が望めず、逆にマイナスとなると判断したのかもしれません」

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