「水をたくさん飲むと健康になる」は本当か? 米国医師会雑誌に論文掲載
「水をたくさん飲みましょう」というのは健康に良い習慣としてよく言われるところです。人間の体の6割は水分で、それを健康に維持するためには、普通の体格の大人で1日2.5リットルの水が必要と考えられています。これは食事などの水分を合わせた場合の数値です。体から水分が失われる脱水は、熱中症でも分かるように、時には命に関わるような病気の原因となります。
それでは、どのくらい水をたくさん飲むことを意識すればいいのでしょうか?
よく言われるのは、寝る前にコップ1杯の水を飲みましょう、朝起きたら水を飲みましょう、というような指導です。また、1日1.5リットルから2リットルの水を飲みましょう、というような指導が行われることがあります。しかし、そこにはどれだけの科学的根拠があるのでしょうか?
2024年の米国医師会関連の医学誌に、これまでの研究をまとめて解析した論文が掲載されています。それによると、水をたくさん飲むことで、明確な科学的効果があったのは、体重減少効果と腎結石の予防だけでした。
水を飲むと体重が減る、というのは意外な気がしますが、これは水でお腹が膨れて、食事が減るためであるようです。脱水を予防することはもちろんとても大切なことですが、水をたくさん飲むことの健康効果は、それほど科学的に証明されているものではないようです。