他人が家に入るのは嫌…90歳女性に強い抵抗を示されてから4年
「突然痛がって、いろいろ薬を試したけど効かなくて。イブはやめて、今はロコアテープ(鎮痛剤)を使っています」(娘さん)
背中の痛みに耐えながら日常生活を送っているご様子。
「少し背中を触りますね。痛みますか?」(私)
「はい、響きます」(本人)
「イブも効かず、ラックルもダメで……本当に困っていて」(娘さん)
娘さんは鎮痛剤の効果があまりないことに気を病み、見るからに精神的にお疲れでした。
「それでは、痛み止めの飲み薬と、骨粗しょう症を改善するお薬を使ってみましょう。注射になりますが、少し痛みがやわらぐかもしれませんよ」(私)
「先生、ありがとうございます。また来ていただけるんですか? 本当に助かります。母は合わない人とはまったく話をしないのに、先生とはあんなに話して……きっと安心したんだと思います。でも、できるだけ来る人数は少なめでお願いします」(娘さん)
前任の先生との信頼関係を土台に、私たちも丁寧に会話を重ね、ご本人やご家族の困りごとに寄り添うことで、少しずつではありますが、在宅医療を受け入れていただけるようになっていきました。