警察署で告訴状の受理に時間がかかるのはなぜだ?
告訴状を作成・提出し、捜査機関に受理してもらうというのは、弁護士の業務の一つです。われわれ弁護士は、告訴状を作成し、警察署まで持参して提出することが多いですが、実際に受理されるまでにはかなりの時間を要します。もっとも、時間がかかるのは手続きが多いからというわけではありません。警察官の方が受理することを渋るからなのです。
先日も、約4時間、担当の警察官と押し問答を繰り広げた上で、なんとか受理されましたが、本来はこんなに時間がかかるものではありません。
というのも、本来、警察官は、告訴をする者があったときは、管轄区域内の事件であるかどうかを問わず、受理しなければならないと定められています(犯罪捜査規範第63条)。例外的に、犯罪行為の内容が不明確であること、犯罪の不成立が明確であること、公訴時効が経過していることなどの場合は、受理する必要はありませんが、裏を返せば、このような事情がない限りは、告訴を受理しなければならないのです。
しかし、警察署側は、あの手この手で告訴の受理を拒もうとします。