オスプレイ“見切り発車”の飛行再開…防衛省「隠蔽」「米軍の言いなり」で人的被害招く恐怖
昨年11月に起きた鹿児島県・屋久島沖での墜落事故後、停止していた垂直離着陸輸送機「オスプレイ」の飛行が14日、再開された。沖縄の米軍普天間飛行場で午前9時前に米海兵隊のMV22オスプレイ1機が離陸。住宅街を低高度で飛ぶのが何度も確認された。
米軍は今月8日にオスプレイの飛行停止措置を解除。翌9日、木原防衛相は「これまでにないレベルで詳細に報告を受けた」とアピールしたが、事故原因については「特定の部品の不具合」と言うだけ。部品の具体名を含め、「米側の調査には訴訟や懲戒処分も含まれ、報告書が公開されるまでは米国内法上の制限がある」として公表しなかった。今も「米側の調査が続いている」という。
飛行停止が3カ月に及び、訓練に支障があると米軍には焦りがあった。日本政府は米軍の言いなりで「見切り発車」を引き受けた形だ。事故原因が曖昧にされ、玉城知事ら沖縄の自治体の首長から不満が噴出しているだけでなく、陸上自衛隊のオスプレイが暫定配備されている木更津市からも「安全性が確認されるまで飛行を再開しないで」との要望が出ている。
「日米で一定程度のやりとりをしていると言うが、防衛省は本当に事故原因の詳細を把握しているのかどうか。『米側が安全と言うから安全だ』という論理ではないのか。再発防止策は事故原因の解明・特定とセットです。米側の調査が続いているのは、原因の特定が終わっていないということ。飛行再開はおかしい」(防衛ジャーナリスト・半田滋氏)