よく効く薬ほど副作用は強い「高齢者には薬を処方しない医師」が理想
日本人はマジメな方が多く、医療においても医師の指示通りに薬をきちんと服用する患者さんが少なくありません。そんな患者心理のせいか、診察の上、医師が問題ナシと判断して、「様子を見ましょう」と伝えて患者さんを帰すと、患者さんの中には「調子が悪くて受診したのに、何もしてくれず、薬も処方してもらえなかった」とトラブルになることも少なからず耳にします。怒った患者さんがその医師を「ヤブ医者」と悪評を立てることもあるようです。
確かに医師が重大な診察結果や症状を見落として「異常ナシ」と診断するのは問題ですが、そういう特別な病気がないとしっかりと診断上での様子を見ましょうなら、決して問題はありません。むしろ不必要な検査や投薬をしないことは、患者さんの肉体的にも経済的にも合理的です。
■高齢者は不必要な薬を飲まない方がよい
私がこの連載や講演会などで何度となくお伝えしているのは、なるべく高齢者は不必要な薬を飲まない方がよい、ということです。どんな薬にも効果があれば、副作用もあります。よく効く薬ほど、副作用も強い傾向です。