睡眠の準備は朝から始まる! ハーバード大医師が説く「戦略的休息」のススメ
鼻から腹式呼吸を。4秒吸って8秒で吐く
そんな戦略的な休息の積み重ねが、究極の休息である良質な睡眠に結びつく。前述した通りスマホは就寝3時間前から見ないようにすることが副交感神経を優位にする条件のひとつ。もうひとつは入浴で、夏でもシャワーではなく、38~41度の湯船で体を温めよう。それ以上だと交感神経が刺激されてよくないという。
「朝型の場合、12時から7時までの7時間睡眠が理想です。そうすると12時から1時の間に、成長ホルモンの分泌がピークになるのです。その時間を外れると、分泌量は半分になってしまいます」
仕事や人付き合いなどで、3食や運動のタイミングがうまく合わない人もせめて食事はなるべくきちんと取る。運動が無理なら、腹式呼吸を取り入れよう。
「呼吸法は、無意識に働く自律神経に意識的に介入できる唯一の方法で、どこでも時間を選ばず実践できます」
常に鼻呼吸で、横隔膜が刺激されると、副交感神経が優位になり、緊張がほぐれる。仕事の合間や移動中にやろう。①まず鼻から息を吐く②腹を膨らませながら4秒かけて息を吸う③お腹をへこませながら8秒かけて息を吐く。吐くときは、肛門から恥骨、へそ、横隔膜へとチャックを閉めるように肛門周囲の筋肉と横隔膜を引き上げるイメージでゆっくりと吐くのがコツだそうだ。①~③をリラックスするまで繰り返す。
なるべくリズムよく。この単純なことを肝に銘じて戦略的に休めば、疲れた中高年もきっと元気を取り戻せるに違いない。