東大は約11万円の授業料値上げ…国立と私立の学費格差是正をめぐる"暗闘"の結末

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 しかし、「その分を授業料値上げで賄え」というのでは、高等教育の実質増税版となる。日本私立大学連も、国立大学授業料上限撤廃とともに給付型奨学金の充実や教育国債の発行を提言している。学費を値上げするにしても、その対策として給付型奨学金の強化では使い切りの財源が必要になので、対象者数も限定されてしまう。

 そこで一般家庭の大学生向けに無利子長期返済奨学金貸与制度を充実させてなるべく対象者を増やすことが大切だ。そして当初はその資金源として高等教育長期国債を発行する。そして返済が始まれば、それを国債の償還財源に充てるように積み立てていくのである。

 18歳人口も減り大学進学率も頭打ちになっている現在、大学の学びに意欲を持つ者への幅広い経済的支援が大切になっているのは間違いない。

(木村誠/教育ジャーナリスト)

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