「ナスカの地上絵」新たに303点発見 山形大・坂井正人教授インタビュー「破壊のスピードは今世紀に入り加速している」
──今後の保護活動について教えてください。
現地の小中学校や、大人向けの講演会を開催するなど、教育活動に力を入れたいと考えています。私たち日本人がいつまでもナスカの地上絵を調査し続けるわけにもいきません。長期的に保護活動をしていくのはあくまで地元の人々。今回数多く発見されたいわゆる「面タイプ」のような小規模なものを含め、地上絵にどのような価値があるのかを伝えていきたい。それに、観光地化を通じて地上絵の文化的価値を正しく伝え、彼らのアイデンティティや誇りと結び付けることで、現地の人々にも「一緒に保護していきたい」と思ってもらえるような活動をしていきたいです。
(聞き手=橋本悠太/日刊ゲンダイ)
▽坂井正人(さかい・まさと)1963年、千葉市生まれ。山形大学教授。専門は文化人類学、アンデス考古学。2004年に発足した山形大学「ナスカ地上絵プロジェクトチーム」のリーダー。