(36)タクシーを喫煙所代わりにしたお客がいた 愛煙家の気持ちもわかりますが…
■「マイ灰皿持っているから」
こんなこともあった。真冬の深夜、浅草で「柏まで」とうれしいロングのお客。ところが喜びもつかの間「高速道路に入ったらたばこ吸わせて。マイ灰皿持っているから」と困った注文。「少し窓を開けていただければ」と受け入れて、帰りは窓を全開にして寒風に耐えながら戻った。
私はたばこを吸わないからわからないが、世の中には、たばこを吸うために必死の人が数多くいる。以前、路上喫煙が禁止になった頃、クルマに乗り込んでくるなり「メーター入れてもいいから走らないで。一服終えたら降りるから」とタクシーを喫煙所代わりにするお客もいた。もちろんワンメーターで降りていったが本当に高いたばこ代だ。私にはわからないが、ニコチンの魔力はすさまじいようだ。
「非喫煙者よりも税金を払っている」「じゃあ、排ガスはどうなんだ」という喫煙者の言い分もあるが、私のような非喫煙者にとって、たばこの臭いはかなり不快なものだ。タクシーの中はもちろん、喫煙所以外での喫煙については、非喫煙者の「ダメよ」には、喫煙者は「仰せの通り」と応えるのがマナーというものだと思うのだが……。