前回泣く泣くスルーした千駄木「さくら食堂」に出直す 子供連れも酒飲みも大満足だった
鴬谷から大塚まで山手線の右上の一角は、アタシにとって未知のエリアといっていい。
元々、五反田から南の城南地区を根城としているため、外回りは池袋、内回りは上野、その先に足を延ばすことは少ない。そんなアタシが今回は西日暮里に降り立った。目的は「さくら食堂」。不忍通りを散策中に偶然見つけた店だ。
そのときは飲み食いした直後で、水分以外は腹に収まる余裕がないという状態。涙をのんでスルーした。そこで今回、出直したというわけ。西日暮里周辺は荒川区、北区、台東区、文京区の境界線が複雑に入り組んでおり、一歩踏み出す方向によって街の雰囲気がガラッと変わる。今回は駅を背に道灌山通りを不忍通り方面に向かう。道灌山という地名は太田道灌がこの辺りでタカ狩りをしたことに由来する。
不忍通りの手前を左に曲がると外国人観光客で賑わうよみせ通り。さくら食堂はよみせ通りの入り口の道灌山通りを挟んで向かい側にある。カフェのような入り口を入ると、右側に4人掛けテーブル数脚、左の壁沿いに1人用がずらっと並んでいる。その壁に小学校の教室にあるような大きな黒板。そこに本日のメニューがビッシリ書き込まれている。アタシは黒板の真正面に陣取る。ランチ、夕食時は行列ができるが、15時半なら余裕で座れる。そう、ここは10時半から22時までのうれしい通し営業の店。しかも13時から18時までハッピーアワーでアルコール類が安くなる。いいね! さっそくハイボール(330円、通常は430円)と定番のポテトサラダ(400円)でスタート。
ノドを潤し、黒板を見上げる。そこには刺し身3点盛りから肉野菜炒め、かつ丼からチャーハン、ナポリタンにもつ煮込み。自家製プリンまである。驚いたことにお子さまランチには漏れなくおもちゃが付いている。おかずは単品でもOK。しかもアジフライやコロッケは1つからでも注文できる。酒好きも含めてあらゆる客のニーズを満足させるシステムだ。