分煙社会構築への模索(下)観光客1584万人が訪れる札幌で進む再開発とたばこ事情
人口約197万人の政令指定都市・札幌市。コロナ前の2018年度には年間約1584万人の観光客が訪れ、外国人宿泊者数も271万人に達していた。コロナが落ち着き、国内外からの観光客が完全復活の兆しを見せているなか、市内は2030年度末予定の北海道新幹線開業を見込んだ再開発が進行中で、続々と高層ビルが建設されている。
ススキノの中心部に11月末に開業した複合ショッピングセンター「ココノ ススキノ」には午前中から多くの市民、観光客の姿があった。夜の街のイメージが強いススキノだが、若者向けのコスメ・雑貨コーナーが充実している1階には若い女性たちが、昼飲みができるワイン食堂など飲食店が並ぶ4階には30代以降の大人の女性たちが昼前から集っていた。4階の一角には喫煙所もあり、レストラン利用者などが思い思いに一服タイムを過ごしていた。
日本有数の歓楽街の喫煙環境はどうなっているだろうか。ススキノにあるたばこ販売店を訪れる客層は、飲食店客、飲食店スタッフ、国内・海外観光客など幅広く、中には携帯灰皿を日本の喫煙文化の象徴として土産にまとめ買いしていく外国人もいるという。嗜好品文化の発信拠点となっているのだ。