震災で状況一変、2024年も値上げ収束は望めず…昨年の東京物価は41年ぶり「3%」上昇

公開日: 更新日:

年末には一服も再び円安傾向のワケ

 昨年暮れにかけて、原材料や資源の価格高騰を招いた円安も一服。値上げラッシュも一息つくかとみられたが、年明けから再び円安傾向に。1月1日に1ドル=140円82銭で始まったドル円相場は、5日に一時145円98銭に達し、ホンの1週間で5円近く円安が進んでいる。

「足元の円安は、元日の能登半島地震により、自然災害への対応不安を抱いた外国人投資家の心理的側面が強いと推測されます。しかも、震災は日銀の大規模緩和からの出口戦略も狂わせました。復興後押しと景気の腰折れ懸念から、金融機関の貸出金利や住宅ローンに影響する利上げ路線に当面、踏み出すわけにはいきません。

 植田総裁は本来、自民党安倍派が裏金でボロボロのうちに、アベノミクスの正常化を模索するはずが、『チャレンジング』は遠のくばかり。米国の利下げ観測も後退し、日米の金利差は縮まることなく、円を売ってドルを買い戻す動きは続くでしょう。春以降は再び値上げを覚悟しなければなりません」(経済評論家・斎藤満氏)

 9日発表の昨年11月の家計調査で1世帯当たりの消費支出(実質)は、前年同月比2.9%減と9カ月連続のマイナスだ。庶民は節約生活から当分、抜け出せそうにない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    大阪万博会場の“爆発”リスクはやっぱりヤバい…高濃度メタンガス問題に国や府は安全強調も、識者が疑問符

  2. 2

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 3

    大阪万博は開幕直前でも課題山積なのに危機感ゼロ!「赤字は心配ない」豪語に漂う超楽観主義

  4. 4

    「いきなり!ステーキ」倒産危機から一転…黒字転換&株主優待復活でも“不透明感”漂うナゼ

  5. 5

    農相が備蓄米の追加放出表明も「中小の米屋には回って来ない」…廃業ラッシュで地域の安定供給が滞る恐れ

  1. 6

    大阪万博を追いかけるジャーナリストが一刀両断「アホな連中が仕切るからおかしなことになっている」

  2. 7

    トランプ大統領「日本でアメ車が売れない」ボヤきのデジャビュ…非課税障壁でっち上げ“市場開放”要求のお門違い

  3. 8

    トランプ関税「交渉役」に大抜擢…石破首相の腹心こと赤沢亮正経済再生相の“ホントの実力”

  4. 9

    「へグセス疑惑」再燃…「有事では日本が前線に」発言の国防長官が危険視される理由

  5. 10

    業界初の女性トップ誕生へ…高知銀行「河合祐子新頭取」の華麗な経歴と意外な一面

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  2. 2

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  3. 3

    元フジ中野美奈子アナがテレビ出演で話題…"中居熱愛"イメージ払拭と政界進出の可能性

  4. 4

    中居正広氏は元フジテレビ女性アナへの“性暴力”で引退…元TOKIO山口達也氏「何もしないなら帰れ」との違い

  5. 5

    芸能界を去った中居正広氏と同じく白髪姿の小沢一敬…女性タレントが明かした近況

  1. 6

    中居正広氏と結託していた「B氏」の生態…チョコプラ松尾駿がものまねしていたコント動画が物議

  2. 7

    中居正広氏、石橋貴明に続く“セクハラ常習者”は戦々恐々 フジテレビ問題が日本版#MeToo運動へ

  3. 8

    中居正広氏が女子アナを狙い撃ちしたコンプレックスの深淵…ハイスペでなければ満たされない歪んだ欲望

  4. 9

    中居正広「華麗なる女性遍歴」とその裏にあるTV局との蜜月…ネットには「ジャニーさんの亡霊」の声も

  5. 10

    SixTONES松村北斗 周回遅れデビューで花開いた「元崖っぷちアイドルの可能性」