著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

ニトリHD(下)創業者は終身トップを志向する…似鳥昭雄会長もまたしかり

公開日: 更新日:

 実母が腹に据えかねたのはニトリの創業のくだりだ。

 昭雄氏は「家具屋は自分が考えた末のアイデア」だと語っている。だが、実母は「家具屋は父さん(夫の義雄)が始めた」と断言した。

 もともとニトリの株式は父・義雄氏の名義だった。1989年に父が死亡し、ニトリの株式を昭雄氏が相続したが、遺産分割協議書は偽造されたものだ、と母親と、昭雄氏を除く3人の妹弟が昭雄氏を訴えた。2007年に訴訟を起こした当時のニトリ株式の時価総額は200億円。骨肉の争いに発展した。

 昭雄氏も徹底抗戦した。1審の札幌地裁で12年1月、昭雄氏が全面勝訴した。判決を不服として母親側は札幌高裁に控訴。控訴審で和解が成立した。

 裁判で争っていた当時、昭雄氏は発行済み株式の12.4%を所有する筆頭株主だった。和解後、株主構成は大きく変化した。一族の資産管理会社の持ち株比率が高まり、自社株(自己株口)が大株主として登場した。

 23年9月期末の株主構成は、ニトリ商事が18.1%で筆頭株主。公益財団法人似鳥国際奨学財団(3.4%で4位)、似鳥昭雄氏(2.9%、6位)、似鳥百百代氏(2.6%、7位)となっている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    大阪万博「午後11時閉場」検討のトンデモ策に現場職員から悲鳴…終電なくなり長時間労働の恐れも

  4. 4

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 5

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  1. 6

    桜井ユキ「しあわせは食べて寝て待て」《麦巻さん》《鈴さん》に次ぐ愛されキャラは44歳朝ドラ女優の《青葉さん》

  2. 7

    江藤拓“年貢大臣”の永田町の評判はパワハラ気質の「困った人」…農水官僚に「このバカヤロー」と八つ当たり

  3. 8

    天皇一家の生活費360万円を窃盗! 懲戒免職された25歳の侍従職は何者なのか

  4. 9

    西内まりや→引退、永野芽郁→映画公開…「ニコラ」出身女優2人についた“不条理な格差”

  5. 10

    遅すぎた江藤拓農相の“更迭”…噴飯言い訳に地元・宮崎もカンカン! 後任は小泉進次郎氏を起用ヘ